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障害挿入テスト

PXI 障害挿入モジュールを使用した障害挿入テストとは

現在のECU(電子制御装置)は高性能化と複雑化のため、特別再現な試験方法が必要です。
システム障害のテストは新しいものではなく、ECU検証の重要な側面であり、システムに電気な障害を挿入するテストを伴います。 試験プロセスでは、通常、腐食、短絡/開回路、およびその他の電気的故障が経年、損傷、または設置不良の影響によって生じる可能性のある様々な条件を再現します。

通常、開発中のECUは、ユニットが制御するデバイスをシミュレートするテストシステムによって実行されます。これは、HIL(Hardware-in-the-Loop)シミュレーションと呼ばれることがあります。
例えば、エンジンの挙動をシミュレートするスティミュラス(刺激信号)発生装置は、手動操作またはECUからのアナログおよびデジタル応答を捕捉するために使用される計測機器を備えたコンピュータに接続され、制御されます。 障害を注入する必要がある場合、従来は、図1に示すようなパッチパネルが使用されていました。

図1の写真に写った様々なケーブルは、ECUの入力/出力(I/O)ラインと刺激信号発生装置または測定機器に接続するために使用されます。 I/Oラインを手動で外して、回路のオープン状態の再現することや、複数の配線を一緒に接続する事で回路の短絡を再現し、結果を測定することができます。 このタイプのソリューションには多くの固有の欠点があります。 継続的なメンテナンスの問題、オペレータの側での重要な知識の必要性、潜在的な人的ミス、テストを実行し結果を記録するのに要する労力など、多くの隠されたコストもあります。

手作業のもう一つの大きな欠点は、再現性の欠如です。 テストシステムでは、不合格になったたテスト条件を迅速に再現する能力は、開発を助けるか、または是正措置を取るために不可欠です。 テスト手順を迅速に正確に再現できることは、アップグレードまたは検証プログラムの大きな利点となります。

機器との接続とリアルタイムの電気な障害挿入の両方をソフトウェアで制御できれば、テストプロセスと結果の記録の両方が向上します。 しかし、適切な仕様を備えた標準クロスポイントマトリクスは、試験中のデバイスへの測定器への接続を処理することができますが、障害を挿入するためには、特定のスイッチングアーキテクチャが必要です。

モジューラ式障害挿入ソリューション

ピカリング社は、包括的なPXI 障害挿入ユニットスイッチ製品を提供しています。 これらのスケーラブルなソリューションは、多数のHILシミュレーションおよびテストシステムで、シミュレーションと実際のデバイスの間で信号を切り替えるために使用できます。 障害挿入ユニットは、HILアプリケーションでのテスト、診断、統合作業を大幅に簡素化し、加速するのに役立ちます。 以下に、(障害挿入ユニットの例に基づく)最も一般的な障害挿入アーキテクチャの一部を示します。

シングル障害バス・アーキテクチャ

図2 シングル障害バス・アーキテクチャ

図2に示すこの仕組みは、障害挿入モジュール(40-195および40-196)で使用されます。 これらの2つのケースでは、入力接続がペアでグループ化され、複数のペアが1つのフォルトバスに接続できます。 この仕組みを使用すると、次のような方法でさまざまな障害を再現できます。

  • 入力と出力の切断できます。
  • 入力同士の短絡できます。
  • 障害バスとの接続できます。

障害バスは、システム内の電源、グランドまたは、システム内の他の何らかの信号との接続してしまう障害を再現するために使用します。
複数の障害要因を再現する必要がある場合は、追加の(外部)切り替えを使用するか、または異なる仕組みを使用する必要があります。

マルチ障害バス・アーキテクチャ

このアーキテクチャは、図3に示すように柔軟性が高く、さまざまな障害挿入ユニット モジュールで使用されています。 このアーキテクチャを利用すると、さまざまな障害をシミュレートできます。

  • どの入力も出力から切断できます
  • どの出力も一つまたは、2つのフォルトバスと接続できます。
  • 障害バスから外れている状態で、出力同士を短絡できます。
40-190シリーズの障害挿入モジュールで使用される仕組みでは、障害バスを切断するか、または4つの障害条件のいずれかに接続できます。これにより、バスをグラウンド、電源またはその他の状態に接続できます。 SPSTスイッチを使用して接続が行われるので、それらをすべてオープンにすると、フォルトバスが切断され、2つのリレーを閉じることによって2つの信号間の短絡が可能になります。

図3 マルチ障害バス・アーキテクチャ

障害挿入マトリクス

ピカリング社の障害挿入マトリックス(40-592および40-595)は、複雑な障害挿入テストにさまざまな方法で使用できるより複雑なアーキテクチャを提供します。

障害挿入マトリックス(図4に示す)を使用する一般的な方法は、コントローラーとセンサー間の接続をX軸上に置くことです。 例えば、入力からの接続はX1.1に、X1.2からの出力への接続します。 この例では、デフォルトの条件で、ノーマリー・クローズド・リレイにより、接続されています。 より複雑な障害を導入することができます。

  • 入力・出力間をオープン状態にできます。
  • 障害要因がX1.2へ接続される場合、パッチパネル配置により、4つのフォルトバス(Y1~Y4)へ入力を選ぶことができます。
  • 4つの障害バス(Y5~Y8)の何れかに出力を接続できます。
  • 未使用のY行のバス配線を利用してX列間の配線間を短絡させる事ができます。

大規模な様々な障害の種類を再現できます。X軸に用意された3番目の接続により大きな柔軟性が加わります。

図4 障害挿入マトリクス

ピカリング社の障害挿入ユニットは、1A~30Aの電流処理能力を備えた幅広いチャネル数および障害バス構成で利用できます。
右側の画像はPXIベースの障害挿入ユニット(写真提供Clemessy社)によるチャネル数の多い自動車用ECU検証システムです。

PXI障害モジュールの2つの例を以下に示します。

お問い合わせ先

モジューラ式障害挿入モジュールソリューションの詳細につきましては、弊社までお問合せください。

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